【法務DXツール 比較54選】を公開しました ダウンロード

【最新版】リーガルテックとは?種類やメリット・デメリット、効果を高めるポイントを解説

リーガルテックは、法律と技術を融合させた造語であり、法律関連業務やその他の多岐にわたる業務の効率化に寄与するITサービスやツールを指します。本記事ではリーガルテックの基本概念や市場規模、導入によるメリットや注意点についてわかりやすく解説します。また、導入による効果を高めるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

リーガルテックとは?

リーガルテックとは、「Legal(法律)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、法律関連業務の効率化を実現するためのITサービスやツールです。
たとえば、電子同意サービスや契約書管理サービスなどがあります。法律相談、判例検索、弁護士検索などの専門的なサービスだけでなく、一般企業でも広く利用されています。

国内におけるリーガルテックの市場規模

日本国内のリーガルテック市場は、急速に成長しています。矢野研究所のデータによると、2018年の市場規模は228億円であり、2023年には約353億円まで拡大すると予測されています。
この成長は、働き方改革やリモートワークの普及に伴い、リーガルテックの認知度と需要が増加している点が主な理由です。特に電子契約サービスは、業務効率化とコスト削減の両面で企業から注目を集めています。
参考:電子契約サービス市場に関する調査を実施(2022年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

リーガルテックに注目が集まる理由

リーガルテックに注目が集まっている背景には、働き方改革の推進が大きく関係しています。日本では少子高齢化による労働人口の減少が進んでおり、企業は長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現が急務です。
特に、紙の契約書への押印やサインなどの業務手続きは、テレワークなどの新しい働き方とのミスマッチという課題を抱えており、これらの非効率な業務を改善するためにリーガルテックが重要視されています。

主なリーガルテックサービスの種類とその特徴

主なリーガルテックサービスの種類とその特徴については以下のとおりです。

種類           特徴
電子契約サービス契約書作成から締結までをクラウド上で完了させるサービス。電子契約やタイムスタンプを用いて、法的な有効性を優先しながらオンラインでの契約が実現できる。
契約書レビューAIレビューを活用し、自動で契約書内容をチェック、不利な条項や抜け漏れを防止できる。
文書管理サービス文書をデジタル化し、セキュリティ対策を実施したサーバーで一元管理する。契約ライフサイクル管理(CLM)も含まれ、契約書期限や更新のサポートが可能。
申請・出願サービス商標や意匠など、企業活動におけるさまざまな申請や出願をサポートする。
リサーチ検索法律に関連する資料、たとえば過去の判例などを検索できる。
弁護士検索トラブルに対して専門の弁護士を紹介してもらえる。
法務マネジメント契約など、法的に関わる業務を包括的にサポートする。
デューデリフォレンジック不正調査に特化し、大量のデータ収集や消去されたデータの復元が可能。

リーガルテックを導入する4つのメリット

次に、リーガルテックを導入するメリットについて解説します。

  • 業務を大幅に効率化できる
  • 業務品質の均一化が図れる
  • 情報を一元化できる
  • 書類を安全かつ効率的に管理できる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.業務を大幅に効率化できる

リーガルテックの導入により、業務が大幅に効率化されるメリットがあります。たとえば、書類の電子化や管理、AIによる文書チェックや修正案の提案などが自動化されるため、作業時間が短縮できます。
特に電子契約の利用は、契約書送付や訪問などの時間と手間を省き、業務効率化が可能です。さらに、業務効率化だけではなく、紙代や印刷代、印紙代、郵送代などのコスト削減も実現します。

2.業務品質の均一化が図れる

リーガルテックの導入により、業務品質の均一化を実現できます。たとえば、AI技術の活用により、文書の自動チェックが可能になるため、ヒューマンエラーが減り、業務品質ばらつきを防ぐ効果があります。
このように、個人の経験やスキルによる業務品質の違いが問題となる場合でも、AI技術の導入により、均一的な業務品質が実現可能です。

3.情報を一元化できる

リーガルテックを導入するメリットの1つは、情報の一元化により、必要な情報へのアクセスが容易になる点です。紙ベースの管理では、必要な情報を探すのに手間や時間がかかります。
しかし、リーガルテックを活用すると、必要な情報を電子データで検索し、簡単に探し出せます。これにより、締結済み契約書情報や契約書のひな形、判例、統計による数字のデータなどの情報をスムーズに共有可能です。

4.書類を安全かつ効率的に管理できる

リーガルテックの導入により、書類を効率的かつ安全に保管できます。特に、クラウドサーバーの利用によって、最新のセキュリティ体制のなか、書類を安全に保管できるというメリットがあります。
また、電子データとしてサーバー上に保管された書類は、検索性にも優れており、必要な文書を容易に探し出すことが可能です。このように、リーガルテックの導入は、書類管理業務の効率化とセキュリティ強化の両面で大きな利益をもたらします。

リーガルテックを導入する3つの注意点

次に、リーガルテックを導入する際の注意点について解説します。

  • 取引先の協力が必要になる
  • 電子契約が認められない場合がある
  • トラブルへの対策方法を決めておく必要がある

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.取引先の協力が必要になる

リーガルテックを導入する際は、取引先との調整が重要なポイントです。現実には、すべての取引先がIT技術に精通しているわけではなく、電子契約に対応していないケースや取引先が電子契約を受け入れない可能性もあります。
「IT-REPORT 2021 Spring」によると、電子契約の普及率は67.2%に達していますが、まだ対応していない企業も多いのが現状です。取引先の協力なしで、リーガルテックの導入は成功しないため、事前のコミュニケーションと調整が肝心です。
参考:IT-REPORT 2021 Spring|JIPDEC

2.電子契約が認められない場合がある

電子契約は効率化とコスト削減に最適ですが、すべての書面が電子化に適しているわけでは無く、法令上、紙の書面が必要なケースも多くあります。主な契約書は以下のとおりです。

  • 定期借地・定期建物賃貸借契約(借地借家法第22条、第38条第1項)
  • 宅地建物売買等媒介契約(宅地建物取引業法第34条の2)
  • 不動産売買における重要事項説明書(宅地建物取引業法第35条)
  • 投資信託契約の約款(投資信託及び投資法人に関する法律第5条)
  • 訪問販売等特定商取引における交付書面(特定商取引法第4条)

これらは、紙での書面が必要であるため、これらを使用する業種では、電子契約を導入しても管理が煩雑となり、期待した効果が得られない可能性があります。
自社でどちらの契約形態が適しているのか見極め、適切に判断するようにしてください。

3.トラブルへの対策方法を決めておく必要がある

リーガルテックを導入する際は、トラブルへの対応策を決めておく必要があります。リーガルテックの自動化技術は人為的ミスを減らす効果がありますが、必ずしも完璧ではありません。
バグや設定ミスが起こる可能性や、クラウドサーバーがダウンするリスクも考慮する必要があります。これらのリスクに備えて、サーバーダウン時のバックアップ計画を準備するなど、トラブル発生時の対応を練っておくのが重要です。

リーガルテック導入の効果を高める4つのポイント

最後に、リーガルテック導入の効果を高めるポイントについて解説します。

  • 事前に導入目的を明確にする
  • 他社の導入事例を探す
  • スモールスタートで導入する
  • トライアル期間を活用する

1.事前に導入目的を明確にする

リーガルテックの導入は、法的業務の効率化とコスト削減に大きな効果をもたらしますが、効果を最大限に引き出すには、事前の計画が不可欠です。まず、自社の課題を明確に把握し、どのように解決したいのか具体的に考える必要があります。
また、導入による業務時間短縮の見込みやコスト削減の効果を事前に試算し、導入の可否や選択すべきサービスの種類を決定しなくてはなりません。この段階での具体的な計画は、リーガルテック導入後の成果を高め、企業の法務運営を効率的にするための鍵となります。

2.他社の導入事例を探す

リーガルテックを導入する際に、自社にどのような変化が起きるのか具体的に把握するのは難しいかもしれません。このような場合には、自社と似た業務内容や企業規模が近い他社の導入事例を参考にしてみてください。
多くのリーガルテックサービス提供者のホームページでは、導入事例が豊富に掲載されています。これらの事例をチェックすることで、リーガルテック導入後の具体的な変化や、効果を具体的にイメージできます。

3.スモールスタートで導入する

リーガルテックを導入する際は、実際に使ってみてはじめて気づく課題もあるため、最初から大規模な導入は避ける方が無難です。
このように、スモールスタートで、運用上の問題点などを特定の業務範囲から洗い出し、本格的に利用するかどうかを決めた方が無駄はありません。もし、運用期間中に問題点が見つかれば、より自社に合ったサービスを見つけるヒントにもなります。

4.トライアル期間を活用する

リーガルテックの導入を検討する際、トライアル期間の活用がおすすめです。リーガルテックの導入においては、導入前に自社の具体的な目的を定め、その目的に合ったサービスかどうかを慎重に判断する必要があります。
そこで、トライアル期間を利用すれば、自社の課題に対して効果的なツールなのか確認できます。多くのリーガルテックサービスでは、無料トライアルやセミナーなどを提供しているため、これらを有効に活用しましょう。

関連

リーガルテックで契約業務の効率化を目指そう

この記事では、主なリーガルテックサービスの種類とその特徴、導入するメリットや注意点、導入の効果を高めるポイントについて解説しました。
リーガルテックの導入を検討している場合は、リーガルテックのメリットや注意点を参考に、自社の課題解決に適したサービスやツールを導入してみてください。

  • URLをコピーしました!
目次