契約書のレビューにおける課題とは。~見落としがちな自社内の法務・事業部間でのやり取りで起こる非効率について~ – 法務DX Lab.
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契約書のレビューにおける課題とは。
~見落としがちな自社内の法務・事業部間でのやり取りで起こる非効率について~

契約締結の前に行う契約書のレビューは条件などの精査も含め重要な業務です。しかし、レビュー業務は法務部門だけでなく、社内の事業部門や締結先の企業ともやり取りが必要なため、多くの手間やコストがかかるケースが多く、効率化したいと考える企業が多いでしょう。

そこで本記事では契約書のレビュー業務における課題や効率化のためのITツールについてご紹介します。

契約書のレビューを行う2つの目的

そもそも、なぜ契約書のレビューが必要なのでしょうか。契約書レビューの目的は大きく2つあります。

  • 目的1.契約内容を明確にするため
  • 目的2.自社に不利な項目を洗い出すため

それぞれ確認していきましょう。

目的1.契約内容を明確にするため

契約書のレビューは契約内容を明確にするために必要です。仮に契約書についての知識がない状態で契約を進めてしまうと曖昧な表現や紛らわしい表現により、後のトラブルの元になる恐れがあります。

しかし、あらかじめ契約書に記載しなければいけない項目や記載事項などが明示されていれば、契約書の内容がより確かなものになります。解釈の違いで問題が起こることを未然に防ぐ効果に加えて、どの法律家が見ても同じ意味に捉えられるためにも契約書のレビューは必要といえます。

目的2.自社に不利な項目を洗い出すため

自社にとって不利な項目が記載されていないかを確認するために契約書のレビューは必須です。

例えば、製造会社を営む企業が知的財産権を相手企業に全て帰属するような契約で進めてしまった場合、その後の開発成果物は相手企業に帰属し、自社商品として自由に販売できなくなります。
このように自社リスクの高い項目を見落とした状態で契約しないためにも、契約書のレビューは必要です。

契約書をレビューする際のおおまかな流れ

契約書をレビューする際のおおまかな流れは以下のとおりです。

1.契約を行う事業部門から法務へ契約書のレビュー依頼をする
2.法務でレビュー・修正を行い、事業部門へ結果を返す
3.事業部門と締結先で契約内容の合意をする
仮に3番で修正・指摘が入った場合は1〜3番を繰り返します。
セクションごとの内容を解説していきます。

1.契約を行う事業部門から法務へ契約書のレビュー依頼をする

まずは契約を行う事業部門から契約書の法務レビューを行う総務・法務部門等に依頼します。依頼する際には、契約書において特に重要な項目(予算・納期など)の確認をしてもらうよう伝えておくと良いでしょう。

2.法務でレビュー・修正を行い、事業部門へ結果を返す

次に依頼を受けた部門から修正事項が記載されたレビュー結果が返ってきます。修正箇所については、ただ言われたとおりに修正するだけではなく、なぜ修正が必要であるかを理解した上で、修正を行いましょう。

具体的にどの項目が悪かったのかを理解することで、同じミスを防ぐことに加えて、次の契約交渉の場では、契約がスムーズに行えるようになります。

3.事業部門と締結先で契約内容の合意をする

修正項目を全て修正した後は、締結先で契約内容の合意を行います。当然、契約の合意は、双方が契約内容に合意しなければ成立しないため、締結先から合意を得られない場合は、法務レビューを依頼するところからやり直しです。

締結先も契約内容には最新の注意を払いながらも、自社利益を守る交渉が行われるため、合意に時間がかかるケースも珍しくありません。

契約書のレビューにおける4つの課題

契約書をレビューする際は管理やファイルのやりとりをする際にいくつかの課題を抱えています。課題ごとに内容をみていきましょう。

①事業部から法務へのレビュー依頼をメールで行っている場合、そのメールが埋もれてしまう

レビュー依頼にメールを用いている場合は、メールボックス内でメールが埋もれてしまうリスクがあります。紙媒体と電子媒体を同時に用いる場合は、埋もれた契約書を探すのに時間がかかるケースも多いです。

②複数回の修正やりとりを行うと、どれが最新版のファイルか分かりづらい

契約書の修正を繰り返すと、最新版のファイルが分かりにくくなることがあります。そのため、見つかったレビュー依頼の契約書が最新版であるかを確認する手間がかかります。

③法務部員が複数名いる場合は、担当者毎の作業状況を把握しづらい

契約業務を担当する法務部員が社内に複数いる場合はそれぞれの作業状況がわかりにくいです。
それぞれの担当している作業が把握できなければ、契約書の確認に時間がかかりやすく、最新版の契約書がわかりにくくなるリスクがより高まってしまいます。

④依頼元の事業部から進捗状況が分からない

契約書は依頼元になる事業部と法務部の担当者が連携を取りにくいため、契約の進捗状況が分かりにくくなりやすいです。
依頼元の進捗状況が曖昧なままレビューを進めると、重要な項目に見落としが見つかったり、最新版の管理が煩雑になるリスクがあります。

契約書レビューを支援するサービスのメリットやデメリット

契約書レビューサービスはAIを用いて契約書のレビューを行い、契約書の不備を確認するサービスです。近年は不備の確認だけでなく、レビュー業務の効率化や課題解決まで総合的にサポートするサービスも増えています。

契約書レビューサービスとは?

契約書レビューサービスはAIが契約書内の状況の不備や不足を確認し、自社にとって不利がないかを自動的にチェックするサービスです。契約書のレビューは確認項目が膨大になるため、AIを用いることでスムーズにチェックできます。
チェックする際はこれまで蓄積された膨大な契約書を元にAIが自動的に判断を行うため、目視では確認しきれない誤字やミスも正確に判断できます。

契約書レビューサービスを利用するメリット

契約書レビューサービスを利用すると迅速な契約締結やコストの削減といったメリットがあります。契約書のレビューを人間が行う場合、担当者が過去の契約書や文献を参考にチェックを行うため、膨大な時間がかかります。サービスを活用するとAIが自動でチェックを行うため、数時間で作業が完了します。
チェック作業がスムーズに完了できれば、契約の締結も素早く進められるため、契約を急いでいる場合でも安心です。また、弁護士への契約書のレビュー依頼や法務担当者のチェックでは、企業側も大きなコストを費やしますが、AIの導入により1件あたりにかかるコストを最小限に抑えられます。

契約書レビューサービスを利用するデメリット

契約書レビューサービスはAIが対応できない内容もあります。例えば、AIチェックは、これまでの契約書のデータを参考に精度を高めるため、前例の少ない契約書のレビューでは不備を見つけられないことがあります。
また、契約書内の取引の背景や取引先との関係性などについては、AIで判断できない部分でもあるため、担当者のチェックが必要になる場合もあります。

代表的なサービスの例

契約書レビューサービスの代表例としてリーガルフォースとGVAテックを紹介していきます。

リーガルフォース

リーガルフォースは1000社以上に導入されているAI契約審査プラットフォームです。契約書レビューのリスクチェック、調査、修正までのすべての工程をスムーズに実行できます。

自社の基準に従ってAIが自動的にチェックを行うため、それぞれ企業に合わせたレビューができる点が魅力です。また、複数のテンプレートが用意されており、契約書を1から作成するための機能も備わっています。

参考:LegalForce

GVAアシスト

GVAアシストは400社以上で導入されているAI契約審査クラウドです。一般的に用いられる契約審査の基準はもちろん、それぞれの企業の契約ルールに合わせた基準で、契約書の不備やリスクを調査できます。

対応している契約書の種類は240種類を超え、法務担当者の少ない中小企業から人気を集めています。

参考:GVA assist

契約プロセス管理サービスとは?

契約プロセス管理サービスはレビュー依頼を受けてから、契約を締結するまでのすべてのプロセスを管理し、スムーズな契約締結を手助けするサービスです。契約書のレビューでは作成した契約書をデータ化や調査に時間がかかり、更新期限を過ぎてしまうリスクもあります。
こうしたリスクは他の業務を進める際の手間になってしまうだけでなく、顧客や取引先との信頼関係に傷が入ってしまうといった重大な問題に発展します。管理サービスを利用すると契約書をアップロードするだけで自動的にデータ化し、契約期限になればアラートで通知することも可能です。
また、検索機能が搭載されている場合は、膨大な契約書の中から必要なものを素早く探すこともできます。このように契約書の管理をスムーズに進めることで、法務担当者が契約書の作成やレビューに集中でき、契約の締結を効率化できます。

契約プロセス管理サービスを利用するメリット

契約プロセス管理サービスを導入すると業務工数を削減するなどの効率化が期待できます。契約書は紙媒体と電子データだけでなく、それぞれ異なる保管方式が用いられることも多いです。
管理サービスを利用すると、異なる保存方式のファイルを一元化管理できるため、契約書を探す手間や入出力の時間をカットできます。また、一元化したファイルを社内全体で共有できるため事業部と法務担当者のやりとりがスムーズになるメリットもあります。

契約プロセス管理サービスを利用するデメリット

契約プロセス管理サービスを導入する際は、これまでの社内の契約書のレビューから締結までの工程を変える必要があります。契約書の締結は事業部から法務担当者までの様々な人が関わるため、サービスを導入する際の研修や教育でコストと時間がかかります。
また、管理サービスを導入すると一般的に月額利用料として一定の金額を毎月支払うことになります。そのため、毎月の取り扱う契約書が少ない企業では、費用対効果が見合わないケースもあります。導入を検討している企業は、自社が毎月取り扱う契約書の数を把握しておきましょう。

代表的なサービスの例

契約プロセス管理サービスの代表例としてリーガレッジとHubbleを紹介していきます。

リーガレッジ

リーガレッジは企業の契約業務のすべてのプロセスをデジタル化する契約プロセス管理サービスです。契約書の情報を自動的にデータ化できるため、登録や管理業務をスムーズに一元化できます。

登録した契約書は条文ごとに保存されるため、法務担当者が情報収集する際の貴重なデータを蓄積できるメリットもあります。

参考:リーガレッジ

Huble

Hubbeは契約業務を社内のプロセスを変更せずに、導入ができる契約プロセス管理サービスです。企業の契約業務に関わる基本機能が備わっており、テンプレートからの契約書作成や検索機能を利用することで、業務の効率化を実現します。

Slackやクラウドサインなどのサービスと簡単に連携できるため、社内のこれまでのプロセスを大きく変更せずに利用できます。

参考:Hubble

事業部門なども含む契約書のレビュー業務全体で起こる非効率をどう解消するか?

契約書のレビューは法務部や事業部の複数の担当者が関わる業務であるため、レビューから締結までのやりとりの中で様々な非効率が発生することになります。リーガレッジを活用するとこれらの課題を迅速に解決できます。

①レビュー依頼や結果などの法務と事業部間のコミュニケーション情報を記録できる

リーガレッジでは法務担当者と事業部との連携をサービス内で行い、データとして残すことができます。契約のレビューを行う際は、確認するファイルの情報と双方の進捗状況を記録し、管理できます。
確認したファイルはサービス内のデータベースに自動的に登録されるため、締結後に契約書を登録する手間も省くことができます。

②レビュー段階の契約書ファイルのバージョン管理機能で、最新版がすぐに分かる

リーガレッジでは現在レビューしているファイルのバージョンを管理できるため最新版がわかりやすいです。また、契約更新に対するアラート機能も搭載されており、それぞれの契約書の更新管理もスムーズに行えます。

③ダッシュボード機能で法務部員ごとや依頼部門ごとの状況を可視化が可能

リーガレッジでレビューしているファイルは、サービス内のデータベースと連携しているため、締結後の登録作業を簡略化できます。
これにより、各部門ごとの進捗状況が一目で分かり、部門ごとの可視化に繋がります。また、過去のデータベースと比較することで、過去の契約内容とのブレや不備を防ぐ効果も期待できます。

④ステータスで依頼元の事業部からも進捗状況を確認可能

リーガレッジは部門間のコミュニケーションをデータとして登録できるだけでなく、事業部の進捗状況をステータスとして管理できます。そのため、契約書のレビューに関わる社内全体の状況を可視化するメリットもあります。

リーガレッジ紹介

リーガレッジは契約書の作成・レビュー・管理を行うためのクラウドサービスです。社内における契約書のプロセスをWordでマニュアル化している企業に対しては、Wordからも利用できるアドインも用意されているため、これまでの流れを大きく変えずに導入できます。

契約書のレビューや管理に課題を抱えている企業は、ぜひ導入を検討してみてください。なお、サービスの導入事例や詳しい内容は以下のページをご覧ください。

リーガレッジ

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