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株主総会開催後にするべき7つのこと|取締役会の内容や必要な手続きをご紹介!

株主総会終了後には、法定の手続きを確実に行う必要があります。取締役会の開催や議事録の作成、登記手続き、計算書類の公告、書面の備え置きなど、これらの手続きのなかには法令で期限が定められているものもあります。株主総会が終わったからといって安心せず、忘れずに事後手続きを行うようにしてください。
本記事では、株主総会後に必要な手続きとその法的根拠について詳しく解説します。法務関連業務に携わる方は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、株主総会の概要については、こちらの記事で詳しく解説しています。

目次

株主総会開催後にするべき7つのこと

株主総会の終了後には、さまざまな手続きが必要です。ここでは、株主総会開催後にするべき7つのことについて解説します。

1.取締役会の開催

まず、株主総会の終了後には取締役会の開催が不可欠です。取締役会では、以下の事項を決定する必要があります。

  • 代表取締役の選定等
  • 取締役の順位の決定
  • 法定・任意の委員会に係る委員の選定
  • 取締役の競業取引・利益相反取引の承認
  • 取締役の報酬の配分決定

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

代表取締役の選定等

代表取締役が取締役の任期満了を迎えると、その時点で代表権を失います。株主総会で取締役に再選されたとしても、一度失った代表権は自動的には復活しません。
そのため、取締役会で再び代表取締役として選定される必要があります。なお、この手続きについては、役付取締役や業務執行取締役などにも同様に適用されます。

取締役の順位の決定

取締役が改選または再選されると、株主総会や取締役会の招集者や議長の順位に空席が生じます。この場合、取締役会決議により新たな招集権者や順位を決定する必要があります。
しかし、役職などによって自動的に招集権者や議長の順位が決まる場合は、取締役会決議を実施する必要はありません。状況に応じて、取締役会決議の実施を決定してください。

法定・任意の委員会に係る委員の選定

指名委員会等設置会社では、指名委員会・報酬委員会・監査委員会のそれぞれの委員を取締役のなかから取締役会決議で選定しなければなりません。株主総会で改選または再選された取締役が委員会の委員である場合、委員に空席が生じるため、直後の取締役会で新たな委員を選任する必要があります。
法定の委員会以外にも、取締役で構成される任意の委員会が存在したり、空席が生じたりした場合は、取締役会決議で補充するのが一般的です。

取締役の競業取引・利益相反取引の承認

株主総会決議で新たに就任した取締役がほかの会社の役員を兼務している場合、会社法上の競業取引や利益相反取引規制に抵触する場合があります。
このような場合、新任取締役は競業取引または利益相反取引を行う際に、重要な事実を取締役会に開示し、取締役会の承認を受けなければなりません。

取締役の報酬の配分決定

取締役の報酬は、株主総会で総額を決定し、具体的な配分については取締役会で決定するのが一般的です。株主総会では、取締役全体の報酬額を決定し、これにもとづいて取締役会がそれぞれの取締役への配分を決定します。
また、取締役会では、個々の取締役の業績や役割、貢献度によって報酬の配分が考慮されます。これにより、報酬の公平性と透明性を確保し、取締役のモチベーション向上と企業の持続的成長をはかるのが目的です。

2.株主に対する書類の送付

上場企業は、株主総会終了後に株主へ決議内容や配当関連書類を送付するのが、一般的です。決議通知書は紙での郵送に代わり、ウェブサイトに掲載されるケースがほとんどです。
非上場企業においても、株主総会に参加しなかった主要な株主が存在する場合は、同様の手続きを検討するようにしてください。このような対応により、すべての株主が必要な情報にアクセスしやすくなります。

3.株主総会議事録の作成

株主総会が終わったら、取締役は必ず株主総会の議事録を作成しなければなりません。議事録には、以下の事項を記載します。

  • 株主総会の日時および場所
  • 議事の経過と結果
  • 監査役の意見や発言があれば、その内容
  • 出席した取締役や監査役の氏名
  • 議長の氏名
  • 議事録作成者の氏名

オンライン利用の場合も、会場の設置が必要です。その出席方法についても議事録に記載してください。
なお、議事録の作成期限は明確には定められていませんが、株主総会後1週間程度で作成されるのが一般的です。もし、登記事項に変更がある場合は、2週間以内に変更登記の申請が必要であり、議事録が添付書類として求められます。
また、書面決議の場合でも議事録の作成は必須です。株主が少ない会社や親族、役員だけで構成される会社では書面決議が多く見られますが、議事録作成を忘れないようにしましょう。

4.登記手続き

会社の登記事項に変更が生じた際には、法律にもとづいて変更登記をしなければなりません。株主総会での決議によって役員の選任や改選が実施された場合、その内容を正式に登記する義務があります。
この場合、株主総会の日から2週間以内に、必要書類を添付して変更登記の申請をする必要があります。この手続きには、株主総会議事録が必須であり、取締役や監査役の選任や退任、再任の場合に重要です。

5.計算書類の公告

会社は、株主総会後、承認された計算書類を公告する義務があります。法令では、具体的な期限は定められていませんが、実務上は株主総会の翌日に公告されるのが一般的です。
非公開会社の場合、公告が必要な計算書類は貸借対照表です。公告方法は、「官報」「日刊新聞紙」「電子公告(インターネット上のホームページに掲載)」から選択でき、定款で方法を定められます。
定款に定めがない場合は、官報で公告を実施します。官報または日刊新聞紙を利用する場合、貸借対照表の要旨のみを掲載すれば問題ありませんが、電子公告を選択した場合、貸借対照表の全内容を5年間掲載しなければなりません。

6.書面の備え置き

株主総会に関する書類や電磁的記録は、会社法にもとづいて特定の期間、適切な場所への保存が必要です。保存期間および保存場所は法規に従って定められており、違反すると罰則が科される場合があります。

なお、それぞれの書面・電磁的記録の備置期間・備置場所は以下のとおりです。

備え置くべき書面期間備え置く場所
議決権の代理行使に関して、
代理権を証明する書面または電磁的記録
株主総会の日から3カ月間本店
議決権行使書面株主総会の日から3カ月間本店
議決権行使の電磁的記録株主総会の日から3カ月間本店
株主総会議事録株主総会の日から10年間本店
株主総会議事録の写し株主総会の日から5年間支店
各事業年度に係る計算書類・事業報告・
附属明細書
定時株主総会の日の1週間前の日
(取締役会設置会社では2週間前の日)から5年間
本店
各事業年度に係る計算書類・事業報告・
附属明細書の各写し
定時株主総会の日の1週間前の日
(取締役会設置会社では2週間前の日)から3年間
支店
臨時計算書類臨時計算書類を作成した日から5年間本店
臨時計算書類の写し臨時計算書類を作成した日から3年間支店

7.株主からの指摘事項の改善

株主総会では、株主から経営に対する多様な意見や改善提案が寄せられます。経営陣にとって、これらのフィードバックを真摯に受け止め、合理的かつ実現可能な内容を経営戦略に組み込む必要があります。
株主総会は、株主と対話できる貴重な場であり、双方向のコミュニケーションを通じて、会社の中長期的な発展に寄与するチャンスです。株主の声を最大限に活かし、企業価値の向上を目指しましょう。

まとめ

本記事では、株主総会後に必要な手続きとその法的根拠について解説しました。
株主総会終了後には、法定手続きを確実に行うことが重要です。取締役会の開催や議事録の作成、登記手続き、計算書類の公告、書面の備え置きなどがあります。
これらの手続きには、法令で期限が定められているものもあるため、忘れずに事後処理を行いましょう。株主総会が終わっても安心せず、必要な手続きを着実に進めることが企業の信頼性を維持するために不可欠です。

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