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社内規程を作成するメリット、運用手順や注意点について解説!

社内規程の作成は、組織において多くのメリットがあります。社内規程は、組織の運営や従業員の行動を明確化し、一貫性を確保するための重要なツールです。
しかし、適切な運用手順や注意点を把握することが重要です。本記事では、社内規程の作成メリットや作成手順、および注意点について解説します。

また、社内規程の作成はコンプライアンス違反を防ぐ効果もあります。以下では代表的な違反事例と対策を説明しておりますので、よろしければご覧ください。

目次

社内規程とは?

社内規程とは、企業が従業員に対して独自に定める具体的な行動基準や社内ルールのことです。これにより、業務の標準化やリスクの回避、秩序の維持などを図ります。
社内規程には、企業理念や就業規則、文書取扱規程、ハラスメント防止規程など、日々の業務に必要な指針や社員の権利、義務などが明確に示されており、企業の健全性や働きやすい環境を作るためには欠かせません。
従業員は、これらの規程を理解し、遵守することが求められています。また、企業も時代や環境の変化に応じて、定期的な見直しが必要です。

社内規程の種類は

社内規程にはさまざまな種類がありますが、主な規定については以下のとおりです。

  • 就業規則
    労働時間や休日、退職、各種手当などについて定めている
  • 賃金規程
    従業員の賃金について定めている
  • 取締役会規程
    取締役会の開催や運営について定めている
  • ハラスメント防止規程
    職場におけるハラスメントの定義や禁止事項について定めている
  • 個人情報管理規程
    個人情報の取り扱いについて定めている
  • 文書管理規程
    社内における文書の管理方法について定めている

これらの規程は、企業が円滑な運営を実現し、従業員が快適に働ける環境を整えるために不可欠です。作成すべき社内規程は企業によって異なるため、企業と関連性の高いものについては、内容をできる限り充実させておくのが理想的です。

就業規則との違いは

社内規程と就業規則のどちらも企業内のルールや方針を定めるものですが、その適用範囲や目的には明確な違いがあります。就業規則は、労働基準法に基づき、勤務時間や休憩、休日、賃金、退職などの基本的な労働条件を定めたもので、企業が従業員に対して公表する義務があります。
これに対し、社内規程は、就業規則で定められた基本的な枠組みをさらに詳細に規定するもので、服装規定や秘密保持契約など、特定のテーマに特化した指針です。
社内規程は、企業の文化や業務の特性に合わせて柔軟に設定され、従業員の行動や業務遂行のガイドラインをより具体的に示しています。

社内規程に法的効力はあるのか

社内規程の法的効力は規程の内容や導入の仕方によって異なります。労働契約の一部として従業員に周知され、同意を得た社内規程は、労働契約の条件として法的効力を有します。
そのため、従業員がこれらの規程に違反した場合、企業は契約違反として対処することが可能です。しかし、規程が法的に要求される形で従業員に通知され、合意されていない場合や、労働基準法などの法律に反する内容を含む場合は、その効力は認められない可能性があります。
社内規程は企業文化の醸成や業務の効率化を図るための重要なツールですが、法的な意味を持つためには、適切なプロセスを経て、従業員との間での合意形成が不可欠です。

社内規程を作るメリットは?

次に、社内規定を作るメリットについて解説します。

  • トラブルの回避やリスクの抑止につながる
  • 業務フローが確立される

それぞれについて詳しくみていきましょう。

トラブルの回避やリスクの抑止につながる

明確な規則の制定により、従業員が業務を遂行する際の指針が確立され、誤解や不明瞭なプロセスが減少します。これにより、内部のコミュニケーションがスムーズになり、業務プロセスの効率化が図れます。
また、規程には行動基準が具体的に記されているため、不適切な行為や違反行為を事前に防ぐことが可能です。さらに、万が一トラブルが発生した場合でも、事前に定められた規程に基づいて迅速かつ適切に対応できるため、企業と従業員の双方にとって安心です。

業務フローが確立される

規程によって、業務プロセスや手順が具体的に定められるため、従業員は何をすべきか、どのように業務を進めるべきか正確に理解できます。これにより、業務の効率化はもちろん、重大なミスを回避することが可能です。
さらに、新入社員の教育や業務の引き継ぎもスムーズにできるようになり、組織全体の生産性の向上につながります。また、規程があると、従業員間での業務の進め方に対する認識のミスマッチが減り、チーム内での協力体制が強化されます。

社内規程の作成手順、4つのフェーズとは?

次に、社内規程を作成する際のフェーズについて解説します。

  • 責任者の選出
  • 作成するべき社内規程の洗い出し
  • 規程の草案の作成・共有
  • 運用開始・社内への周知

それぞれについて詳しくみていきましょう。

責任者の選出

組織内のさまざまな部門を代表する、経験豊富で知識があるメンバーを選定する必要があります。責任者として選ばれた人物は、規程作成の全体的な方向性を決定し、作業の進行を監督します。
この役割には、関連する法律や規制への深い理解、組織内の業務プロセスや文化に対する洞察が不可欠です。また、責任者はプロジェクトチームを組織し、規程の草案作成、レビュー、改訂の各段階でチームを指導します。
このプロセスを通じて、責任者は組織の目標と従業員のニーズを踏まえた、実用的で効果的な社内規程の策定を目指します。

作成するべき社内規程の洗い出し

組織の運営に必須なルールやガイドラインの明確化が必要です。作成すべき規程の範囲を定めるために、企業の業種や業務内容、従業員の数、働く環境など、組織の特性を総合的に考慮しなければなりません。
たとえば、勤務時間や休暇の取り方に関する基本的な勤務規程、情報セキュリティを守るための規程、従業員の健康と安全を確保するための規程などが考えられます。
また、組織の倫理規定やコンプライアンスに関する規程も重要な要素です。このプロセスを通じて、組織は効果的な運営を実現し、従業員が安心して働ける環境を整備するための基盤を築けます。

規程の草案の作成・共有

責任者が、洗い出された必要な規程に基づき具体的な内容をまとめます。草案の作成にあたっては、法令遵守はもちろんのこと、企業の文化や価値観を反映させ、従業員が守りやすく理解しやすい言葉選びが不可欠です。
作成された草案は、組織内のさまざまなステークホルダーに共有され、フィードバックを収集します。ここでの共有は、メールや会議、内部ネットワークなど、組織のコミュニケーションスタイルに合わせて実施してください。
フィードバックを受けた後、草案は必要に応じて修正され、さらなるレビューを経て最終的な社内規程として完成します。

運用開始・社内への周知

作成された規程を従業員全員に対して効果的に伝達し、理解してもらわなければなりません。運用を開始するためには、まず規程を公式に承認し、発効日を設定します。
その後、社内コミュニケーションツールを活用して規程の内容を周知します。たとえば、社内メールの送信、掲示板への掲載、説明会の開催などです。
また、規程の内容をより深く理解してもらうために、Q&Aセッションを設けたり、規程に関するトレーニングを実施するのも効果的です。

社内規定運用での注意点は?

次に、社内規定運用での注意点について解説します。

  • 定期的な点検を行う
  • 法律に抵触しないようにする

それぞれについて詳しくみていきましょう。

定期的な点検を行う

規程が現在の業務や法規制の変更に適切に対応しているか確認し、必要に応じて更新が必要です。点検を怠ると、規程が実際の業務プロセスに合わなくなり、従業員の混乱や法的リスクの増大につながるおそれがあります。
そのため、年に一度か組織の成長に合わせて頻度を決め、規程の見直しを実施することが推奨されています。点検する際には、従業員からのフィードバックを積極的に収集し、現場の声を反映させることも大切です。
これにより、規程が常に最新の状態を保ち、従業員にとって理解しやすく実践しやすいものになります。

法律に抵触しないようにする

規程が労働基準法や個人情報保護法など、適用される法律に適合しているかどうかを常に確認することで、企業は不必要な法的リスクや罰則を避けられます。規程を作成または更新する際は、法律専門家の意見を求めるのが賢明です。
さらに、法律が改正された場合や新たな規制が導入された場合に備え、規程の定期的な見直しを実施し、必要に応じて速やかに内容を修正する体制を整えることが重要です。
従業員に対しても、規程の変更点やその理由を明確に伝え、法令遵守の意識を高める取り組みを実践する必要があります。

まとめ

本記事では、社内規程の概要や社内規程を作るメリット、作成手順、運用する際の注意点について解説しました。

社内規程は、企業が独自に定める社内ルールであり、業務の標準化やリスクの回避、秩序の維持に欠かせない重要なツールです。そのため、適切な作成手順や運用方法、作成時の注意点などをしっかりと把握するようにしてください。

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