【ダウンロード資料付き】法務部門のためのDX化ガイド
DX化は現在様々な会社が課題として取り組んでおり、社内ではシステム部門やIT部門を中心にその推進に取り組んでいる会社が多いでしょう。こうした取り組みが必要なのは法務部門も例外ではありません。しかし、DX化についてどのように取り組めば良いのか分らないという方も多いでしょう。
そこで本記事では法務部門のDX化について進め方などを解説します。
法務部門の従来の課題
法務部門といえば契約書などに代表される紙の書類の取扱い量が膨大であるという点が挙げられるでしょう。こうした膨大な紙の書類を管理するという法務部門の性質からは以下の様な課題が出てきます。
①紙の契約書にかかる管理工数
契約書の管理には更新時期や手続きの管理、継続中の契約書の管理など様々な作業が必要となります。こうした作業を全て人が手作業になっていたため、契約書の管理を専門的に行う人員が必要になり、その作業工数も膨大になるなどコストの面においても大きな課題となっていました。
②問い合わせ対応に時間がかかる
他部署から契約書の内容について問い合わせを受けた場合、紙の契約書をいちいち取り出して関係する文書を探す必要もあるため、非常に手間や時間がかかる点も課題の1つとして挙げられます。
③契約の更新・期限を逃してしまう
契約書の更新や有効期限を人が管理していると、数が増えてくるとどうしても期限や更新時期を逃してしまうといった事態が起きてしまいます。こうした契約の更新・期限を逃してしまうというのも人が紙の契約書を管理する上で課題の1つとなっていました。
契約書管理システムの導入とそのメリット
こうした課題解決のためには契約書管理システムの導入が考えられます。ではどのようなメリットがあるのかについてここでは解説します。
業務改善による生産性の向上
紙でそれまで管理していた契約書を電子ファイルで管理することで契約書の管理工数を大幅に削減し、よりコア業務へ工数や人員を割くことが可能となります。
そうすることで、コア業務へ集中することができ、より生産性を高めることが可能となります。
電子契約への対応
契約書管理システムは電子契約と連携しているものも多く、電子契約と非常に相性が良い点も挙げられます。
電子契約に対応することでそれまで契約書の締結過程で発生していた郵送や押印の手間等を省くことができるためスムーズな契約締結が可能というメリットが挙げられます。
コストダウン
契約書管理システムを導入し、電子ファイルで契約書を管理すると、印刷が不要になるため、印刷費や郵送費、紙の契約書を保管するのに要していた場所などが不要になるためコストダウンが期待できます。また、契約書を印刷しないため収入印紙の貼り付けも不要になるといった点でもコストダウンを図ることができます。
ナレッジ蓄積による属人化の解消
契約書管理ツールには契約書レビューの際のやりとりやレビュー結果を蓄積するナレッジ蓄積ツールがあります。そのため、属人化しがちな法務業務のナレッジの共有が可能となり、スキルの平準化を図ることが可能となります。
法務DXの実践的な手順
では、法務DXは具体的にどのような手順で進めれば良いでしょうか。ここからは法務DXの具体的な手順について解説します。
①契約書管理システムの導入
契約書管理ツールの導入に当たっては以下の様な流れで進めることがポイントとなります。
検討
まずは現状を分析し、理想と現状の差分を埋めるためのツールはどのようなものがあるか情報収集を行う必要があります。そこからどのようなツールを導入するのか具体的に検討していきます。
導入準備
どのようなツールを導入するか決定したら次は社内でそのツールを運用するための準備をしていきます。環境設定や契約書データの準備などツールを利用するための下準備をしていきます。また、実際に利用する際にどのような手順で利用するかを決定しておくことも重要です。
導入・運用
ツールを導入したら、そのツールが想定通りに挙動すること を確認したうえで利用開始します。利用開始後は利活用促進をするために社内研修を行う事も検討しましょう。
②電子契約の活用
契約書管理ツールの導入が完了したら次は電子契約書の活用です。電子契約書を活用するに当たっては以下の様な流れで進めていきましょう。
確認・整理・検討
電子契約書を活用するとしてもどの範囲で電子契約書を活用するかについては検討が必要な事項となります。例えば全ての契約書を電子契約にするのかそれとも一部の契約書にとどめるのかといった点が挙げられます。また、導入しようとしている電子契約書のシステムが既存の契約書管理ツールと互換性があるかといった点も確認しておきましょう。
要件定義・調整
電子契約の導入が決定したら取引先などへ電子契約へ切り替える旨を通知し、社内にも周知を行いましょう。また、運用フローを整え、契約書管理ツールと同期させた上で活用を開始していきましょう。
導入・運用
初期設定を行い、想定通りに挙動することが確認できたら本格的に運用開始です。電子契約は契約書を実際に締結する事業部門が主に利用する事になるため、社内研修などを積極的に行い、情報展開をしていきましょう。
③導入後の効果測定
最後に導入した事によってどのような効果が得られたのか導入後の効果測定を行います。以下のような流れで行うと課題や効果が整理しやすいでしょう。
課題の数値化
現状の課題の整理と課題の数値化をまずは行います。例えば現状は契約書管理を紙で行っており、この業務のために40時間ほどかかっていたなどといった形で課題を数値化していきます。
目標設定
ツールの導入によってどのような効果が期待できるか、定量化した課題に対してゴール設定を行います。例えば、契約書管理業務にこれまで40時間ほどかかっていたが、契約書管理ツールの導入により10時間程度に収まる想定になるといったように数値化していくことが重要です
効果測定
導入後は定期的に効果を測定し、効果を数値化してチェックすることも重要です。改善に至っていない場合には運用方法を見直すなどして改善につなげていきましょう。
まとめ
DX化の流れは法務部門も例外ではなく、むしろナレッジの属人化や業務の効率化といった観点からは法務部門こそ強くDX化が求められる部門ともいえるでしょう。
法務部門のDX化に当たってはまずは契約書管理ツールの導入から始めることが考えられます。本記事やダウンロード資料を参考に法務部門のDX化を進めていきましょう。