【2024年版】リーガルテックサービスを種類ごとに解説!導入企業の成功事例もご紹介
働き方改革やテレワークの推進が進む中、多くの企業が業務効率化を求めて活用されるリーガルテック。
本記事では、リーガルテックが注目される背景から、最新の日本のリーガルテックサービスを解説します。また、おすすめのサービス等も一覧で紹介し、導入企業の成功事例も合わせて解説しています。法務業務にデジタル技術を活用し、業務効率化を図りましょう。
また、以下ではリーガルテックサービスを一目で把握できるカオスマップを無料で公開しております。よろしければご覧ください。
企業がリーガルテックに注目する背景
リーガルテックが日本で注目される背景には、ビジネスのIT化や政府が推進中の働き方改革に対応していることが挙げられます。
最近ではリモートワークの推進や、契約書の管理のあり方の見直しが挙げられます。業務を在宅・リモートで行うためには、クラウドなどのテクノロジー活用が欠かせません。
日本企業におけるリーガルテックの業界動向
日本でもコロナ禍を経て、各社で急速にリモート化が推進されています。契約書もクラウド管理が進められており、リーガルテックは欠かせない存在といえるでしょう。
しかし、弁護士法などの法規制により、リーガルテックの普及スピードが抑制されているのが現状です。
リーガルテックの主なサービス分類
リーガルテックにおける主なサービス分類は、以下の通りです。
サービス内容 | 特徴 |
---|---|
電子契約 | クラウド上で契約締結・管理 |
文書管理 | 修正履歴・アクセス権限・期限などの管理 |
契約書のレビュー | AIによる条文のチェック・修正案の提示 |
申請・出願 | 登記・商標などの必要書類の作成・出願の支援 |
リサーチ検索 | 判例などの莫大なデータを収集・特定・分析 |
紛争・訴訟解決 | 最適な弁護士とのマッチングなど |
フォレンジック | 訴訟・内部調査における科学的検証をサポート |
リーガルテックの一つに、法務業務の効率化のために作成されたDXツール、「法務DXツール」があります。以下では法務DXツールを比較した資料を無料でご提供しておりますので、よろしければご覧ください。
日本のリーガルテックサービス一覧
日本の大手リーガルテックサービスを以下7つの分類別にご紹介します。
それぞれの分類ごとに2社ずつ、日本のリーガルテックサービスの特徴を交えてご紹介します。
電子契約に関するリーガルテックサービス
電子契約に関するリーガルテックサービスは、契約の締結をクラウド上で行うことで業務効率化が図れる点やコスト削減に効果的です。
電子契約に関するサービスは多数展開されていますが、ここでは代表的な「BtoBプラットフォーム 契約書」と「クラウドサイン」をご紹介します。
- BtoBプラットフォーム 契約書
「BtoBプラットフォーム 契約書」は契約書の締結から保管までをクラウドで完結するサービスを提供しています。
BtoBプラットフォーム 契約書を導入することにより、紙の契約書では必須であった印紙税や郵送費用の削減効果が期待できます。スピーディーな契約締結に役立つだけでなく、書類管理も行えるため保存スペースの削減にも繋がります。契約書紛失や改ざん、情報漏えいなどのリスクも減らすことができるでしょう。
参考:電帳法改正対応の電子契約システムで契約書を電子化|BtoBプラットフォーム契約書
- クラウドサイン
「クラウドサイン」は導入社数130万社を超える電子契約サービスです。契約のスピードアップとコストの削減を実現できます。最短数分で契約締結が可能で、通信・保存ファイルは暗号化されており、セキュリティー対策が徹底されています。
契約にかかわる業務(作成・締結・管理・検索)がクラウドサイン上で完結できるため、
押印のための出社や契約書の保管スペースを削減することができます。
参考:クラウドサイン | 国内シェアNo.1の電子契約サービス
文書管理に関するリーガルテックサービス
契約書は、事業規模を拡大するほど管理が煩雑になりやすいものです。そこで文書管理の効率化に役立つリーガルテックサービスを使うと便利です。
文書管理に関するリーガルテックサービスである「リーガレッジ」と「RICOH Contract Workflow Service」をご紹介します。
- リーガレッジ
「リーガレッジ」は契約書の登録・管理から内容検索までをサポートするサービスです。
契約の関連業務をシームレスに連携できる点が大きなメリットです。契約情報を自動解析した上でデータ化が行われる機能や、スキャンした契約書をドラッグ&ドロップでデータベース化できる機能により、業務効率化が図れます。
さらに、過去に作成した契約書から条文を簡単に検索できます。加えて使用頻度の高い条文はお気に入り登録して、すぐにアクセスできるように設定可能です。
参考:Legaledge(リーガレッジ) | 法務チームの為の契約ナレッジマネジメントシステム
- RICOH Contract Workflow Service
「RICOH Contract Workflow Service」は契約に関する事前相談・回答を記録し、法務部門のナレッジとして共有可能なサービスです。
契約締結までのサイクルを全社的に管理できるため、業務の属人化を防ぎながら業務効率化が図れます。また、電子契約サービスとの連携で登録業務を省くことも可能です。
審査承認や契約管理、期限管理など契約プロセスを自社に合わせてカスタマイズしながら構築できる点もメリットといえます。
参考:RICOH Contract Workflow Service(法務支援クラウドサービス) | リコー
AIによる契約書レビューに関するリーガルテックサービス
契約書の妥当性やリスクを法律的観点からチェックする契約書レビューは、従来弁護士などの専門家や法務担当者が行っていた重要な業務です。見落としによるヒューマンエラーを回避し、業務時間を圧縮することができます。
AIによる契約書レビューに関するリーガルテックサービス「LegalForce」と「LawFlow」をご紹介します。
- LegalForce
「LegalForce」は契約審査の品質向上と効率化を実現するサービスです。
ファイルをアップロードし類型・自社の立場を入力すると、欠落条項や不利な条文の指摘が受けられます。リスク箇所には、ポイントと併せて弁護士が監修した参考例が提示されます。蓄積した契約書をデータベースとしても扱えます。
参考:【公式】LegalForce(リーガルフォース)| AI契約審査プラットフォーム
- LawFlow
「LawFlow」は誰でも簡単に契約書をチェックでき、AIが条文の抜け落ちを瞬時に発見します。
ひな形を何通りでも設定できるため、作業の効率化に繋がるでしょう。導入後には弁護士によるサポートが受けられるため、自社に最適な形で導入しやすい点もメリットです。
参考:LawFlow(ローフロー) | AI契約書チェックで法務を効率化
申請・出願に関するリーガルテックサービス
事業拡大や商標登録には、煩雑な手続きや書類作成が必要です。権利関係は法律も複雑で、従来は専門家が担当する業務です。
しかし、AIを活用すれば誰でも申請・出願に対応可能で、業務効率化が促進できるでしょう。申請・出願に関するリーガルテックサービス「LegalScript」と「Toreru」をご紹介します。
- LegalScript
「LegalScript」は登記に特化した支援サービスです。ガイドに従い情報入力すれば、手続きに必要な書類を自動で作成可能です。完成した書類は管轄省庁に郵送すれば手続きが完了します。
作成可能な登記書類は、会社の設立や定款など、さまざまな種類が網羅されています。専門家に依頼しなくても低コストで申請できるのがメリットです。またスマホ・タブレットにも対応しており、利便性が高いサービスです。
参考:法人登記ならリーガルスクリプト | LegalScript
- Toreru
「Toreru」はオンラインで商標登録が行えるサービスです。煩雑な手続きが必要だった商標登録を簡単に申請できます。
類似商標や特徴の有無など、20項目以上にわたり専門家が商標に不備がないか徹底チェックした調査レポートが出力されます。したがって、申請前に不備事項がないか事前に確認可能です。コストを削減しながら、スピーディーな商標登録の申請に役立つサービスです。
参考:Toreru 商標登録 | カンタン、安心に商標登録
リサーチに関するリーガルテックサービス
前提となる事実や法令、ガイドライン、判例などを網羅的にリサーチするサービスは、主に企業の法務や弁護士の実務に欠かせない業務です。
リサーチに関するリーガルテックサービス「LEGAL LIBRARY」と「AI Samurai」についてご紹介します。
- LEGAL LIBRARY
「LEGAL LIBRARY」はリサーチを効率的に改善するサービスです。官公庁・法律書籍、パブリックコメントなど、1,000点以上の資料から条文や法令文章を検索可能です。
新着の書籍を含む、掲載されている書籍の本文を横断的に調べられます。書籍・雛形をWord出力したり、本文をコピー&ペーストしたりと、書面作成が効率的に行いやすくなるサービスです。
参考:LEGAL LIBRARY (リーガルライブラリー)
- AI Samurai
「AI Samurai」はAIが自動で特許調査を行い、特許性を評価する機能性を兼ね備えたWebアプリケーションです。大阪大学と北陸先端科学技術大学院が開発し、第4回JEITAベンチャー賞を受賞しました。
10秒で評価レポートを自動作成し、全ての特許をデータベースから検索します。これまで欠かせなかった「検索式」が不要で、誰でも先行調査を行えるのが特徴です。
参考:AI Samurai
紛争・訴訟解決に関するリーガルテックサービス
企業を経営するうえで、紛争や訴訟は避けて通れません。訴訟に至らなくても、日々トラブルのリスク管理や対応には多大なコストと人員が必要です。
ここでは、オンラインによる紛争・訴訟解決に関するリーガルテックサービス「Smart Judgement」と「弁護士ドットコム」についてご紹介します。
- Smart Judgement
「Smart Judgement」はコスト削減しながら、顧客満足度向上を実現できるオンライントラブル解決サービスを提供しています。取引にまつわる苦情処理や返品対応を、オンラインで完結可能です。チャット形式で会話でき、適切なアドバイスが受けられます。
もし解決に至らなかった場合は、専門家を交えた調停をオンラインで行うサービスもあり、安心感を得られるでしょう。
参考:Smart Judgement
- 弁護士ドットコム
「弁護士ドットコム」は日本最大の法律相談・弁護士検索ポータルサイトです。累計相談数117万件以上で、あらゆるジャンルの法律相談ができます。
弁護士が20,000人以上が在籍し、得意とする分野や支払い方法などさまざまな条件を絞って最適な弁護士を検索可能です。
またプロフィールには取り扱った事件や料金表などの情報が掲載されており、一括見積もりにも対応しています。
参考:弁護士ドットコム – 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索
フォレンジックに関するリーガルテックサービス
分析や鑑識を意味するフォレンジックは、企業が用いる場合には、セキュリティ事故が発生した際、端末やネットワークに残った情報を証拠として収集・分析する業務のことを指します。
フォレンジックに関するリーガルテックサービス「デジタルフォレンジックサービス」と「FRONTEO」についてご紹介します。
- デジタルフォレンジックサービス
「デジタルフォレンジックサービス」はPC操作の痕跡やデータを復元し、ネットワーク上の情報履歴を調査するサービスを提供しています。捜査機関にも採用されている専用ツールを使用し、流出した情報の特定や操作状況を収集します。
また、端末データが担保される形での証拠保全や、トラブルに遭遇したときの内容に合わせて最適な方法でデータを復旧するサービスです。さらに原因追求だけでなく、今後の予防策を考えるコンサルティングにも対応しています。
参考:デジタルフォレンジックサービス | 大塚商会
- FRONTEO
「FRONTEO」はPCやスマートフォンなどのデバイスから、システム内のログファイル、ビックデータ解析までさまざまなものを対象とした調査を行うサービスを提供している会社です。
フォレンジック調査のリーディングカンパニーとして、あらゆる事例の経験を蓄積している企業である点が特徴です。
自社開発ソフトウェアを使用するため、独自システムや特殊なデータにもカスタマイズで柔軟に対応することが可能です。誤って削除した重要なデータの復元から横領調査まで、網羅的な対応が受けられます。
参考:株式会社FRONTEO | 自社開発のAIでビジネスソリューションを提供
リーガルテック導入の成功事例3選
ここからはリーガルテック導入で成功した3つの企業事例をご紹介します。
- 株式会社Jリーグ
- ENEOSホールディングス株式会社
- 株式会社BitStar
自社でリーガルテックを導入し、業務効率化を図る際の参考にしてみてください。
- 株式会社Jリーグ
株式会社JリーグはJリーグの組織基盤をはじめ、各種関連事業のサポートをしている企業です。ノウハウや経験の属人化を予防するために、管理の「見える化」を課題としていました。
そこで契約に関連する業務を集約できる「ContractS CLM」を導入。契約に関するすべての作業を共有することで、属人化からの脱却に成功した事例です。
参考:導入事例:株式会社Jリーグ | ContractS CLM(コントラクツ CLM)| 契約ライフサイクル管理システム
- ENEOSホールディングス株式会社
ENEOSホールディングス株式会社は石油・天然ガスだけでなく、金属事業などを行う企業です。事業多角化の影響から、法務部の規模が10年で2倍にまで膨れ上がり、各事業部から契約審査の依頼、法務相談など多大な業務数への対応を課題としていました。
法務部への人員増員に加え、契約書審査では「LegalForce」の契約書レビューを活用したことで、チェック作業の効率化と品質向上に役立っています。
参考:契約書レビュー業務の品質向上を実感!大規模法務部におけるLegalForce活用法。 | LegalForce(リーガルフォース)- AI契約審査プラットフォーム
- 株式会社BitStar
株式会社BitStarは、YouTubeを主戦場とするクリエイター(ユーチューバー)の広告事業・マネジメント支援事業を展開する企業です。同社では、タレントのマネジメントをする上での契約書となる「専属マネジメント契約書」の管理について、各部門別の権限管理に課題を抱えていました。
そこで、クラウドサイン連携やシンプルなUI、操作性をなどをポイントに「リーガレッジ」を導入。契約書の新規登録作業はもちろんのこと、過去の契約書を探す工数も大幅に削減しています。
参考:「シンプルかつリーズナブル、契約書管理は必要最低限がいい」2500件に及ぶ契約書管理で選んだ理由 | Legaledge
リーガルテック活用で自社の課題解決へ
リーガルテックは法律に関連する複雑な業務を、ITやAIの技術によって効率的にできる技術で、さまざまなツールが開発されています。特に電子署名ツールは契約書や文章の法的効果がある電子署名に利用され、業務効率とセキュリティを高めます。
法務に関連する業務は、文書作成から電子契約、紛争解決まで多種多様です。効率化を達成するには、自社の課題を明確にし、リーガルテック導入を検討していきましょう。
リーガレッジでは、契約書に関連する業務をシームレスに連携することで、法務部門の負担を大きく削減可能です。弊社サービスの導入事例や詳しい内容は以下のページをご覧ください。