【法務DXツール 比較54選】を公開しました ダウンロード

監査とは?必要性や主な種類、文書の電子化が監査対応に不可欠な理由を徹底解説!

企業が健全に活動しているか確認するために、監査は欠かせない重要な活動です。しかし、「監査の種類や目的について、明確には分からない」、「監査対応の負担が大きく、効率化が課題になっている」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、監査の必要性や主な種類、監査が企業の負担になる理由について解説します。また、文書の電子化が監査対応に不可欠な理由についても解説します。

目次

監査とは?

監査は、会計処理や業務プロセスが正確かつ適切に実施されているか確認するプロセスです。これには、内部監査や外部監査、監査役監査の3つの主要な形態があります。
企業は、ステークホルダーに適切な運営をしていることを示す責任があり、この証明のために監査を用います。監査を通じて、企業は運営の問題点を特定し、必要に応じて是正措置を講じ、より健全な組織運営を実現しなければなりません。
そのため、監査役の選出は、十分な専門知識と経験を有している人材を慎重に選ぶ必要があります。

監査の必要性

監査は、会社の社会的な信頼性を確保し、株主や投資家、取引先などのステークホルダーを保護するために不可欠です。たとえば、上場企業が不正経理により実際の損失を隠し、投資家が誤った情報に基づいて株を購入すると、大きな損失を被るリスクがあります。
このような事態を防ぐために、金融商品取引法や会社法により、特定の企業には監査が義務付けられています。つまり、上場企業は金融商品取引法の規定により、財務情報の監査証明を受けなければなりません。
また、株式を上場していない企業であっても、資本金が5億円以上、または負債が200億円以上ある場合、会社法に定められた「大会社」として会計監査人を置く必要があります。

監査の主な種類は5つ

次に、監査の主な種類について解説します。

  • 内部監査
  • 外部監査
  • 監査役監査
  • 会計監査
  • 業務監査

それぞれについて詳しくみていきましょう。

内部監査

内部監査は、企業内で選任された内部監査人が実施する監査です。この監査は多くの企業において任意で実施されていますが、上場企業では実施が義務付けられています。
内部監査の主な目的は、内部規則の遵守によるリスクの軽減や経営目標の達成、不祥事の防止などです。この監査では、経営がルールに沿って行われているか、リスクを引き起こす行為がないかを検証します。
内部監査には会計監査やISO監査、システム監査など、さまざまな調査項目があり、それぞれ企業の特性に応じた形で実施されます。

外部監査

外部監査は、公認会計士や監査法人といった独立した第三者によって実施される監査です。主に会社法監査と金融商品取引法監査の2つにわけられ、特定の基準を満たす企業に対して義務付けられています。
この監査の主な目的は、株主や投資家、債権者などのステークホルダーに対し、企業の会計処理や業務が適切に実施されているか明示することです。外部監査がない場合、財務諸表は企業によって一方的に発表され、市場の透明性や信頼性が損なわれます。
安心して株式の売買や譲渡をするためにも、第三者が公正かつ中立に企業の財務諸表を担保するという目的が外部監査にはあります。

監査役監査

監査役監査は、株主総会で選任された監査役が実施する監査です。とくに、会社法に基づいて、資本金5億円以上や負債総額200億円以上の大会社には監査役の設置が義務付けられています。
監査役は通常、公認会計士やそのほかの専門家が務める場合が多く、業務監査と会計監査の両方を実施します。この監査の主な目的は、取締役の職務執行の適法性を確認し、違法行為があれば差し止めを請求することです。
そのため、監査役は取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べる役割を持ちます。監査役監査は、企業の透明性を保ち、法令遵守を確実にするために重要な機能を果たし、企業ガバナンスの強化に寄与します。

会計監査

会計監査は、企業が作成した財務諸表に焦点を当てた監査です。この監査は、利害関係のない中立的な会計監査人によって実施され、決算書が適切に処理されているかの確認を目的としています。
会計監査を受ける義務は、大会社や上場会社に限定されず、地方自治体や一定の社会福祉法人など、幅広い組織に適用されている点が特徴です。会計監査には、公正で透明な財務報告を保証し、組織の信頼性を高めるための役割があります。

業務監査

業務監査は、会計監査が財務諸表に焦点を当てるのに対して、企業の生産や販売、物流などの実際の業務プロセスが社内規定や手順に従って適切に実施されているか評価する監査です。
この監査は、組織の体制や業務規則を含む広範な範囲をカバーし、内部監査や監査役監査の一環として実施される場合が多いです。業務監査は、国内の本社だけでなく、海外事業所や子会社、さらには外部に委託された業務にも及ぶケースもあります。
このような広範囲にわたる監査を通じて、企業は業務の効率性や効果性を評価し、必要に応じて改善策を講じます。

監査が企業の負担になる3つの理由

次に、監査が企業の負担になる理由について解説します。

  • 準備に膨大な時間がかかる
  • デジタル化が遅れている
  • 内部統制が最適化できていない

それぞれについて詳しくみていきましょう。

準備に膨大な時間がかかる

監査のためには、事前に財務諸表の精密なチェックや必要な書類の作成が求められ、これらの作業には多くの時間と労力が必要です。監査がはじまる前から、企業は監査対応のために多くの時間を割かなければなりません。
さらに、記載内容に不備が発見された場合は、これらを修正する時間もかかります。このような準備作業の負担は、とくに小規模な組織やリソースに限りがある企業にとっては、大きな負担です。

デジタル化が遅れている

デジタル化が遅れている企業では、書類の確認や訂正作業に多くの手間がかかります。また、アナログな書類管理をしている場合、監査に必要な書類の捜索自体が負担になっている企業も少なくありません。
監査の効率化を図るためには、文書の電子化が不可欠です。電子化を進めることで、必要な書類を容易に取り出すことが可能となり、監査の負担を大幅に軽減できます。

内部統制が最適化できていない

内部統制とは、業務を効率的かつ適切に実施するための仕組みです。これが適切に機能していない場合、日常業務での不備や不正が発生しやすくなり、それが監査書類にも影響を及ぼします。
書類の不備が多いと、監査準備に追加の作業が必要になり、それが結果的に企業にとっての負担となります。もし、監査準備のために多くの時間を費やしている場合、内部統制の効率性と有効性を見直すようにしてください。

文書の電子化が監査対応に不可欠な理由

最後に、文書の電子化が監査対応に不可欠な理由について解説します。

  • 内部統制が強化できる
  • 文書の検索性が向上する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

内部統制が強化できる

紙ベースでの文書管理は、人的ミスが発生しやすく、不正な持ち出しや改ざんのリスクも伴います。しかし、文書を電子化すると、このようなリスクの大幅な軽減が可能です。
電子化された文書は、目視確認や手作業に依存するよりも、業務の正確性が向上します。加えて、文書の紛失や劣化のリスクを排除できるというメリットもあります。
また、電子化された文書は、閲覧権限の個別設定やシステム上での証跡記録が可能です。これにより、紙ベースの管理システムよりもはるかに強固な内部統制を確立できます。

文書の検索性が向上する

監査の際には、財務諸表や会計関連の書類提出が頻繁に求められます。文書の電子化が進んでいる場合、キーワード検索や日付範囲指定など、さまざまな条件で文書データの迅速な検索ができます。
これにより、監査時に必要な文書を速やかに提出することが可能です。電子化された文書管理システムの利用により、監査時の書類提出要求に対する迅速な対応が実現し、監査のプロセスを円滑に進められます。
とくに、膨大な量の文書や複雑なデータを扱う企業にとっては、文書の電子化が監査対応を効率化する重要な手段となります。

文書の電子化で監査を効率化しよう

この記事では、監査の必要性や種類、監査が企業の負担になる理由や文書の電子化が監査対応に不可欠な理由について解説しました。
監査は、会社の社会的な信頼性を確保し、株主や投資家、取引先などのステークホルダーを保護するために欠かせない活動です。しかし、監査の対応が大きな負担になっている企業も少なくありません。
監査における負担を軽減するためには、内部統制の強化や文書の電子化が有効です。ぜひ、この記事を参考に、文書の電子化に取り組み、監査の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

  • URLをコピーしました!
目次